夏休みに入り、近所に住む1年目の看護学生さんと話す機会がありました。
学生さんには、疑問がたくさんあり、その話を聞いて、自分たちの看護を見直すきっかけをいただきました。
今回は、そのうちの一つ、全身清拭の話です。
全身清拭のなぜ?
学生さんは、初めての実習を終えて帰省していました。
彼女は私が看護師であることを知っていて、臨床実習の話をしてくれました。
「初めての実習で、ほぼ見学してるけど、病院では全身清拭って首は拭かないの?腕は??」
「拭かないところがあるなら全身じゃない。」
「病院の清拭は私たちが習ったのと全然違う。なぜ?」
と、言うのです。
確かに。
それを指導者に聞いたか問うと、「忙しそうで聞きにくい」と。
学生どうしで話をしたらしく、「患者さんも、拭いてほしくても看護師さんには言えない、忙しそうだから。」と言っていたとのことでした。
患者さんが遠慮しているということは、良くわかったようです。

臨床での清拭と学校での清拭の違い
臨床での清拭は、施設によってさまざまな方法で実施されています。
例えば、タオルひとつをとっても、さまざまです。
今は、急性期病院だと、不織布で使い捨てのものを使用しているところも多いのではないでしょうか。
体を十分に拭くには薄めで、すぐに冷めてしまう、蒸して使用するタイプです。
おしぼりのような蒸しタオルや、本人のタオルを使用しているところもあると思います。
しかし、多くの学生さんは、バケツにお湯を入れ、適温を測定し、タオルを絞って実施しているのではないでしょうか。
それが、急性期病院に実習に行くと、習ったこととは全く違う清拭をしているので、疑問に感じたのだと思います。
臨床での清拭と、看護学校で学習する清拭の相違については、調査されていて、教育体制の見直し等も行われてきています。
学生として、まずは基本的なところを学ぶ必要があると理解していても、臨床での清拭を見学して、あまりの違いに「なぜ?」と思ったのでしょう。
ちなみに、訪問看護での清拭は、ご家庭のバケツにお湯をくみ、本人のタオルを使用して、学生の頃、学んだように実施します。
タオルもお湯も十分に使用するので、利用者さんは心地よいのではないかと思います。
学生さんには、患者さんや利用者さんの状態、清拭をする施設や在宅での特徴に応じて、習ったことを応用していく、例え話と細かな説明をしましたので、納得していました。

清拭の目的と方法
清拭の目的は、皮膚の清潔保持と観察、循環促進、全身の観察、爽快感を与えることや気分転換を図ることなどで、対象者によっても変わります。
清拭の方法は、その目的によって、何を用いて、どこまで、どのようにするのが良いかを判断して計画的に実施します。
爽快感や気分転換を図る目的であれば、熱いお湯を使用したり、軽くマッサージを取り入れるなどの変化をつけると良いです。
また清拭は、決められた時間に行わなければならないことはありません。
日常生活リズムを作る必要がある場合には、対象者と相談し、ある程度、時間を決めて実施するのが良いです。
どのような場合でも、相手の状態に応じて目的にあった目標を立て、実施します。
考える機会に!
今回の話を聞いて、少し考える機会をもてました。
学生さんが「なぜ?」を私に伝えてくれて良かったと思いました。
臨床にいるときは、限られた時間の中で、決められた病院の物品を使用して、清拭していました。
毎日、同じ時間に繰り返して実施していたので、あまり疑問を感じていなかったかもしれません。
しかし今は、利用者さんの住み慣れた場所に訪問するので、一人に時間をかけて清拭することができます。
その目的に合ったように、仲間とともに目標を立て、細部まで計画的に実施しています。
今回、学生さんの全身清拭に関する「なぜ?」を聞いて、自分たちのケアを系統立てて考え、見直す機会をいただきました。
私は、「なぜ?」と思うことが少ない、思考停止状態になっていますので、良かったです。
看護学生さんに会ったら、また話を聞きたいと思います。


